後日談
姉川にて。
「まつ、まつ、どこだー?」
「犬千代さまぁー」
春爛漫の桜吹雪の中、不似合いの戦場に響くは、戦場に不似合い、春には似合いの戦国おしどり夫婦の声だ。
九州から甲斐に帰るとすぐに再び偵察任務。
本当にうちの旦那方は忍び使いが荒いよ。
偵察先が前田なのはいい。
だが。
どうしているのかね、島津軍。
正直勘弁してください、と思ったが忍びの仕事だ。
仕方がない。
「嫁ばつれて戦とは・・・・・・・最近のわけぇもんは・・・。」
鬼島津の旦那が戦国万年新婚夫婦をそう評した。
呆れたような、微笑ましい様な、微苦笑を浮かべてのことだが。
それには賛成だ。
賛成だが。
「つーか、爺、とっとと終わらせてランチにしようぜ。」
「そうじゃのう。飯の後、花を見ながら、午睡しもんそ。」
「・・・・・・膝かせよ。」
「よーし、早く終わらせて政宗の飯を食うぞ!!!!!」
「「おおー!!!」」
嫁(奥州筆頭)連れのあんたが言うな。とりあえず。
うらやましいのは気のせいだ。
(戦国前田家化=新婚馬鹿ップル化)