頑張れ戦国武将
片倉小十郎による人心掌握術・1
HEY,GUYS!!!
俺は伊達成実!!!!
突然だけど俺の従兄の政宗が小さくなっちまったぜ、YEA!!!!!!
伊達軍動揺中につき、しばらくお待ちください。
「で、あんた何やったんだよ、小十郎。」
とにかく、落ち着かなければ話にならない。
話にならなければ前に進まないわけで、ノリと勢いの伊達軍において順応性が最も高い成実は一人早く我に返り、とりあえず政宗の右腕中の右腕、片倉小十郎に事の次第を尋ねた。
「いきなり名指しで人のせいにしないでいただきたい。」
鉄面皮をピクリとも動かさず告げる片倉小十郎の隣では、憮然とした顔の梵天丸と呼ばれていた頃まで幼くなった政宗、その背後には滂沱の涙を流す鬼庭がいた。
「アンタのせいじゃないなら、一体・・・。」
「小十郎に薬をのまされた。」
「めっさアンタの仕業じゃん。」
「誰も私のせいだとは申し上げておりませんが。」
にこりと、893顔に意外とマッチする激しくさわやかな微笑みとともに告げられ。
一体誰がこいつに逆らえるというのだろうか、思わず遠い昔を回想する伊達成実18歳。
「大体、何故に政宗様をこのようなお姿に・・・・・・・・・・。」
「いえ、最近少々悪戯がすぎるので。昔は素直でお可愛らしかったので、つい。」
「つい、で主君に得体の知れねー薬を飲ませるんじゃねぇよ!!」
流石に腹立たしかったらしい。
むしろそこまで政宗が黙っていたのは奇跡に近い、と後に伊達成実は日記帳(政宗観察録)に記す事となる。
しかしながら。
今はそれどころではない。
「声、たけーな・・・・。」
「やはり子供になられたから・・・・。」
一喝と共に眼光するどく睨まれても、平素から慣れている二人にはたいした威力は無く。
むしろ懐かしさと忘れかけていたかわいらしさに思わずまじまじと顔を覗き込んでしまう。
座っていても身を屈めなければ顔が見えないという状況もまた新鮮だ。
ああ。
なんか可愛い。
はんなりと和んでいく側近二人の目が怖かったのか、いたたまれなかったのか。
一つ、コホンと咳払いをし。
「まあ、なっちなまったもんは仕方がねえ。」
それで片付けちまっていいのか。
と成実は心から突っ込みをいれつつも。
「天下取ることに変わりはねー!!あゆれでぃーがーいず?!!」
し・・・・・舌がまわってない・・・・!!!!!!!!!!(萌)
「「「YEAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!」」」
かつてないハイテンションの怒号が城を揺るがした。
鎧具足を身に纏い、城の前庭に集結した伊達軍の心は常の1・5倍の決意に漲っている。
「「政宗様は我らが守る!!!」」
「これこそ我が狙い。」
「嘘付け。」
あんたさっき「つい」って言ってただろ。
そう突っ込みつつも、梵天を守るのは昔から俺の役目、と思っているあたり見事に何かの策略にのっているのかもしれない。
THE 人心掌握。
片倉小十郎による人心掌握術・2
とにもかくにも武器は必要である。
「つか、梵、六爪流無理だろ?武器どうするんだ?大体鎧も全部大人使用だしさー」
「すぐに作り変えさせる。刀はしょーがねーだろ、一刀流でいく。」
むっつりと応える政宗の声には隠しようのない機嫌の悪さが滲んでいる。
その原因である今朝方のことが脳裏を過ぎり、成実は思い出し笑いをしてしまった。
小さくなっても政宗は政宗。
多趣味で常に何事かをしている彼は、今朝も習慣である遠乗りに出かけようとし、愕然とした。
「・・・・・・・・・・・。」
鐙に届かないのである。
全然全く届かずに、黙りこくった一同の中でやはり動いたのは小十郎。
問答無用で抱き上げて、馬の上に乗せたのではあるが。
どうやら政宗愛馬は主が小さくなったことなどお構いナシで、さらには政宗自身も元の身体の時の癖が抜けなかったのか。
簡潔に言えば落馬したのである。
奥州筆頭伊達政宗が、手放しで馬に乗って山道を暴走した挙句に崖から飛び降りる独眼竜が落馬。
もちろん地面に落ちる前に、成実が受け止め、怪我などはないが。
かなり衝撃だったらしい。
結局今朝は遠乗りをやめ、自室にもどったのである。
予断ではあるが、肩を落として歩いていく政宗を見て厩番や近侍たちはは涙を流してノックアウトされていた。
「いっそ、北の一揆衆から魔女っ子ステッキ借りてきたらどうだ?へーんしーんって」
「成実!!てめー!!!」
「ごめんごめん、梵、冗談だって!!」
「笑いながら言っても説得力ねーよ!!」
飛び掛ってくる政宗を笑いながらあしらう。
ほとんどじゃれ合いだ。
こんな風に過激なスキンシップになだれ込むのは久方ぶりの事で。
「もういい!てめーが馬になれ!!」
「何言ってんだ、梵。」
「うるせーおらぁ!!」
「うおわ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・お二人とも何をされてるんですか?」
ぎゃーぎゃーというあまりの喧しさに、小十郎と鬼庭が城主の部屋の華麗な襖を開けてみれば。
中でくりひろげられているのは。
四這いの馬になった成実とその背にのってはしゃいでいる政宗(幼)。
お兄さんがやんちゃくれな弟と遊んでやっているというアットホームな構図である。
思わず和む鬼庭に、しかし隣に居るのは絶賛鉄面皮の片倉。
「さすがは政宗様。小さくなられても騎乗位とは。」
「「・・・・・・・・・・・・・」」
「とりあえず、小十郎は真顔で下ネタ言うのやめてください。」
「政宗様の教育によくないぞ、小十郎!!」
THE 子供の玩具
片倉小十郎による人心掌握術・3
「よろしいですか、政宗様。今、世は大変危険な人物で満ち溢れております。」
それ以前に今は乱世であるとか。
お前が一番危険だよとか。
突っ込みたい事は山とあれど、誰がそんなことを魔王と化した片倉小十郎に面と向かっていえるというのか。
「つーか子ども扱いやめろ。」
「ですので、けして知らない人間についていってはなりませぬ。また知っている人間でもいつ豹変するやも知れませぬ。」
「だからガキ扱いするな!!」
「何をおっしゃいます。現に只今の政宗様は、頭脳は大人でもお体は子供。」
「お前のせいでな。」
「例えば今天井裏の隅に隠れている忍が攫おうと思えば簡単に攫われてしまうのですよ?」
それもこれもすべては小十郎のせいであるが、そう突っ込みをいれる者は当然なく。
一同はそろって小十郎が示した天井の片隅を見上げた。
重苦しいというよりも、いたたまれない沈黙が流れる。
「Hey、武田の忍。・・・・・・・・・・・・・とりあえず虐めねーから降りて来い。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙の後。
コトリと、天井の板が外され、微かな音と共に迷彩色の忍び装束に身を包んだ草の者が降りてきた。
常の不適な笑みは消え、不本意さと、諦念と、わずかな畏怖をはらんだ何ともいえない表情で、伊達軍重鎮と子供となった独眼龍を見て、盛大に溜息をついた。
「もうさ、何でわかったの、とかきかないけどさ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
忍の存在義とかいろいろ胸中に渦巻くものがあるが。
ソレよりも何よりも。
「ほんっとに小さくなったんだね。」
「うるせーしみじみ言うな。虐めるぞ。」
「さっき虐めないっていったじゃん。」
「とりあえず、っていっただろう。」
「あーもう、ほっんとに可愛くないなー。」
断じて本気ではない。
単なる軽口というやつだ。
だが。
「・・・・・・・・・・・・・・・・そんなこと、俺が一番知っている。」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「うううう嘘です、ごめんさい!!可愛いです、独眼龍の旦那はメチャメチャ可愛いです」
流石は忍。目にも留まらぬ速さで、すみませんとスライディング土下座をして畳に頭をこすりつける。
彼の背後では、伊達三傑全員、あの鬼庭までもが笑顔で抜刀している。
命の危機だ。
ああ、俺様生きて帰れるだろうか。
「別に、無理すんな。お前らもいちいち脅してるんじゃねーよ。」
忍の祈りと魂の叫びが届いたのか、救いの手が差し伸べられる。
とりあえず顔をあげると、幼い独眼龍が、幼い顔に似つかわしくない寂しげでいて、つまりは『哀しいけど泣かない、だから心配しないで』という(注大人視点)健気さ大爆発の表情を浮かべていた。
「俺はもう、気にしてねーし。心配すんな。・・・・・・・・・・な?」
トドメ来た。
「政宗様ぁあああああああ」
「梵!!!!!!!!!!!」
音速を超えたスピードで伊達三傑は主君に抱きつき。
その部屋の隅では、胸を押さえた忍びが蹲っていた。
何かのツボを直撃されたらしい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・やばいっておれべつにこどもとかすきとかじゃないし忍に母性本能なんてないしていうかそれいぜんに俺様男だから母性本能なんてにないけどなんていうのもうああああああきゅんとするな俺の胸。」
「流石は政宗様。」
教えずとも子供の武器を最大限に発揮。
スキル:ギャップで落すを覚えた
健気な微笑を覚えた
魅力があがった
猿飛佐助、攻略。
THE 人心掌握:ピンポイント攻撃
片倉小十郎による人心掌握術・4
「政宗殿が子供になられた??!!」
優秀な忍である佐助の報告書に目を通し、真田幸村は驚愕に目を見開いた。
しかし。
果たして文面どおりのものなのか、それとも比喩的なものなのか。
そもそも。
「政宗殿はあれで局地的に子供のような方であったからな・・・・・。」
旦那に言われたらお終いだよ、と彼の忍びが居たならば入ったであろう突っ込みは不在ゆえに入れられることはなく。
「む・・やはり自分の目で見ぬことには!!真田幸村、参る!」
「というわけで参った次第でござる。」
礼儀だけは正しく、事の顛末を語った武田軍の猛将を前に、政宗はどのような表情を浮かべればいいのか迷い、とりあえず呆れと彼の後ろではさめざめと泣いている忍に同情の眼差しを浮かべた。
「信玄公は何も言わなかったのかよ・・・・。」
放任主義にもほどがあるというか。
「出掛けに殴られました。デジカメを忘れるとは何事か、と。流石はお館様でござる。」
「あああもう俺、どこから突っ込めばいいの?!」
武田の忍がきれ、卓袱台があったならばひっくり返しただろう勢いで叫んだ。
慣れているのか、幸村はその程度の事では動揺しない。
政宗が居心地悪さを覚えるほどに、にこにこと笑顔を浮かべ、彼を見ている。
「しかし、本当に子供になられたとは。・・・・・・・・・・・・・政宗殿はやはりお可愛らしい御子であられたのだな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
直球の剛速球に、絶句する。
二の句が告げないとはこのことだ。
「おいおいおいおいどうするよ、殿負けてるぜ。」
「しかし真田殿はやはり正直な方だな。」
「案ずるな、政宗様は簡単に負けはせぬ。」
「っていうか勝ち負けあるの、これ。」
そのあたりの勝敗の判断基準を教えてほしい。
「・・・・・・・・・うー・・・まあ、なんだ、茶でもたててやる。甘味好きだろ、お前。」
「はい!!」
満面の笑顔で頷く幸村を微笑ましそうに見上げ、立ち上がり、そのことに気がついた。
いや、元々気がついてはいたのだが。
立ち上がり一歩も動かない政宗を怪訝な面持ちで見下ろし、幸村は首を傾げた。
「政宗ど「網元!!!」
幸村の呼びかけに重なるように政宗の子供特有の高めの声が己の部下を呼ぶ。
「は!!」
「しゃがめ。」
「はあ・・?」
何故、と思いながらも主君の命にしたがい、腰をおとすと同時に、どさりと背中に重みが加わった。
「「「!!??」」」
「よし、網元、起き上がっていいぞ。」
思わぬほど近いところからする子供の声に促されるままに立ち上がる。
「ま・・政宗殿。」
「これでいい。茶室に行くぞ、網元。」
ふふん、と得意げな顔で呆気にとられている二人を見下ろし、弾んだ子供の声が命じた。
「どうやら、真田殿より身長が低くなった事が気に食わなかったらしいですな。」
「殿ってば・・・・・・・・・・・・・・・」
「独眼龍の旦那ってば・・・・・・・・・・・・」
「政宗殿・・・・・・・・・・・・・・」
可愛いぜ、畜生。
「ふ・・・・・・・・・・・政宗様が簡単に負けるわけがなかろう。」
スキル:負けず嫌いを覚えた。
意地っ張りを覚えた。
THE ツンデレ(っってなんですか)
片倉小十郎による人心掌握術・5
「そういえば、政宗が小さくなってから茶たてるのなんて初めてだよな。」
「「「!!!!」」」
「つまりは、「初めての○○」ということですな」
*初めての○○。それは子供に新たな可能性と世界を開き大人たちに癒しを与えるものである。要は子供が一生懸命何かを一人出させ、それを見ている大人たちははらはらしつつも目を細めて見守る、という。
はたして茶室では、「茶を点ててやる」と言ったはいいものの、茶道具の大きさに悪戦苦闘する政宗の姿があった。
「・・・・・・・・・・」
ぎゅっと、物陰からその様を見つめ、手に汗を握るのは伊達三傑+忍である。
政宗が何かをするたびにはらはらである。
戦に出るよりも、玉手箱をあける時よりも緊張する。
「あ、茶碗が・・」
「手が小さいからな・・」
「頑張れ、竜の旦那。」
「結構なお点前でござった。」
「おう。」
当人たちはにこにこと話をすすめるが、茶室の外では大人たちがぐったりとしている。
「ところで政宗殿。お館様より書状がござった。」
「そういうことは先にいいやがれ。」
茶を飲んだついでに話すようなものではないだろう、普通。
渡された書状には、つまりは同盟を結ぼうという提案が甲斐の虎らしい勇壮な筆で書かれていた。むしろ願ってもないことだ。
「はーん、まあいいぜ。悪くない。小十郎!!」
さっさと返事を書いてしまおうと腹心を呼べば、心得たもので書道具一式を盆に載せ、表面上は丁重に政宗の前に差し出した。
嫌味なほどにソツなく、ついでにどれだけ地獄耳と言うか察しがよいのかと戦慄を覚える。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
だが。
問題は片倉ではなく、当然の如く政宗に発生した。
筆。
手。
子供の。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・政宗殿、お館様もこの事はご存知ゆえ、お手のことはあまり気になさらず・・・・。」
「しゃらっぷ。」
鄙の華人と呼ばれ、粋をきどるものとしてはヘタクソな字で書を書くなど屈辱である。
だが、現実にはどうあがいても子供の手。
年齢にしては悪くはない(むしろ見事な筆だろう)が、納得いくものではない。
伊達男。絶体絶命である。(頑張れ、殿)
「政宗様。」
「こじゅうろう・・・・・・。」
「政宗様には、他の方には出来ぬ技がございますでしょう。」
例えば六爪流とか。
にこりと微笑む腹心に、小首をかしげ。
「ふむ。伊達の小僧からの書か。」
奥州筆頭が子供になったという報告を聞き、それならばと同盟を申し込んだが。
素早い対応にやはり真の事かと頷き、書を広げ、甲斐の虎・武田信玄は目の前でかしこまる忍に困惑を投げかけた。
「佐助・・・・・・・・・・・・・・・・これは。」
「・・・・・・・・・・・・・・「OK」おーけー、とよむそうですよ。つまりすべて承知した、ということだそうです。」
「ふむ。」
「なんていうか、負けず嫌いに拍車がかかったらしく。下手な字を見せるくらいならってとこですかねー・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・子供じゃのう。」
「子供ですから。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もともと。」
武田軍と同盟を結んだ。
真田幸村が仲間になった。
猿飛佐助が仲間になった。
レベルが上がった。
THE 初めての○○
片倉小十郎による人心掌握術・6
「というわけで政宗様のために今の情勢を紙芝居にまとめてみました。」
「お前、マジで俺のこと馬鹿にしてねーか。」
「ちなみに絵は鬼庭がかきました。」
「我ながら力作でございます。」
にっこりと微笑む兄的存在(公式)と腹心の部下に哀しくなる。
何が哀しくて成人してまで紙芝居などをみなければならないのか。
「楽しみだな、殿。」
「どのようなものでござろうか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
わくわくしているいい年した青年が二人(対現在の伊達比)。
年齢じゃねーよな、人間・・・・。
「昔昔在るところに、第六天魔王がおりました。」
「過去形にする必要ねぇだろうが。」
現在進行形で京都周辺を勢力下においているのは第六天魔王織田信長だ。
政宗の突込みに当然ながら片倉が動じる事はなく、よどみなく続く。
「ある日、魔王は鬼が島に鬼退治に出かけようとしました。「金平糖三個をあげるから鬼の征伐についてこい。」そういった魔王に前田犬は「嫁の握り飯でなければ力が出ない」といい、猿は「面倒くさいからもういやだ」と命令拒否をした挙句、離反してしまいました。ちなみに雉は勝手に山陰山陽グルメツアーに出かけて不在です。」
「織田軍まとまりねーなー・・・・。」
どうやらうちの軍だけがおかしいわけではないらしい。
その事にこっそりと安堵する。
「さすがの魔王も途方に暮れていると、そこにちょうどバカンスから帰ってきた嫁と小悪魔が現れました。二人は問答無用で雉を引きずり戻し、落ち込む魔王を慰めました。志を新たにした魔王はとりあえず猿を黙らせようと鬼退治を諦めましたとさ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい話でござる・・・・。」
「おう・・・何か心温まるっていうかさ・・・。」
隣を見れば、幸村と成実がしみじみとした面持ちで紙芝居の感想などを語っている。
ついうっかり最後まで見ていた自分に些かの自己嫌悪を覚えつつも、政宗はとりあえず突っ込みを入れる。
「いい話か?つーかむしろ紙芝居がなんで劇画タッチなんだよ。」
「伊達の旦那、突っ込むところ其処じゃないしさ。」
「つまりは、四国攻めしようと計画していたけど前田は兵糧不足で参戦できず、明智は毛利と勝手に交戦中で、ついでに明智・濃姫・森の不在を狙って豊臣が反旗を翻したってことだろ。」
「さすがは政宗様。」
「いや、普通にわかるだろ、ソレ。」
お前、めちゃくちゃ説明してたし。
「しかしよく調べたな。」
「情報提供FROM真田忍隊長猿飛佐助でございます。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いや、俺様もね、命削って部下と共に遠方まで偵察諜報活動に行って、必死の思いで手に入れてきた新鮮取れたての情報がね、劇画タッチの紙芝居調にされた挙句に水あめ食べながら見られるとはね、なんだかね・・・・・・・。」
自分で言っていて、やるせなくなったらしい。膝を抱えて部屋の片隅で落ち込みだす始末だ。
「えっと・・・落ち込むな、っつっても無理だから、これ、やるから、な?」
まだ自分で口をつけていない真っ赤なリンゴアメを忍に渡してやる。
「ありがと・・・。」
子供の純粋な優しさが心にしみる。
大体最近うちの旦那ときたら給料も休日も忘れてるし。
そういえば出張費ももらってない。
「というわけで政宗様、今が機会にございます。」
「おう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へい、がいず!!鬼退治に行くぞ!!」
「「「YA−AAAAAAA!!!!!!!!」」」
「うおおおおおおお!!!」
「はいはい・・・・・っ!!!!!」
て、やばい、真田の旦那はともかく俺まで馴染んでどうするよ・・・!!!!????
THE 子供の武器
to be continue 中でござるよ
一言
いつも拍手ありがとうございます。
最近戦国書いてないなー→書くか→コレ
なんだか間違っている感じがしないでもないですが。
一つ話を更新するたびに「片倉さんが輝きすぎていて目が潰れる」とのコメントを頂く。
うん、ぎんぎらぎんにあからさまに輝いてますよ、彼は。
いつの間にか。
現在武田にご挨拶中です。拍手の方で。